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改造に改造を重ね、もう30年以上も動き続けている機械があります。
創業者が考案・設計したもので、他のどこにもない完全なオリジナル。
ボタン一つでスタートするような便利なものではありませんが、日々調整を行うことに時間と手間を惜しみません。なぜなら、この調整が機械の精度に大きく関わり、機械の精度は商品の品質に大きく関わるからです。
毎朝の作業は、この機械の調整に全神経を集中することからはじまります。
筒井製菓の創業は、満州に出征していた先々代が、中国のフライ豆からヒントを得て、戦後の商売にしたことがはじまりだそうです。創業者の好奇心や追求心が、脈々と今に引き継がれています。
筒井製菓が他と違うところ、それは全品オリジナル製品であるということ。同じような製品は世にたくさんありますが、製造機械から自分たちで独自に設計して組み上げ、日々メンテナンスしながら豆菓子を作っているところは決して多くありません。
もちろん機械だけではありません。
機械化すべきでない、または人間の方が得意という部分については、経験とカンがその仕上がりを大きく左右します。天候や気温、水温、湿度、豆の温度などは日々変化していくので、それに合わせて調整していきます。また豆の選別にも力を入れています。
もうひとつは、製品が新しいということ。
極力作りおきしないことをモットーに、出来立てをそのまま袋に詰めて発送しています。乾燥剤や脱酸素剤などは一切使用しません。※
最後に、豆菓子専門メーカーであるということです。
扱う種類は多くありませんが、これらの鮮度に細心の注意を払い、出荷分を逆算して日々製造していきます。大量に作り置きをすることも可能ですが、豆の味を引き出すには、作り置きよりは、その都度作る方がいいはず。あれもこれもと欲張るよりも、よりシンプルな方向を目指すのが、筒井製菓のスタンスなのです。
筒井さんは、豆屋に生まれたことを本当に感謝しているのだとか。
毎日毎日豆を煎って、揚げて、積んで、選別して、袋入れして・・。確かに大変な面もありますし、体力気力勝負の面ももちろんあります。しかし、小さい頃から目が覚めると豆の機械が動いていて、それをとても自然に感じていたそう。
筒井さんが、大学の寮に入ったとき、家の商売は豆屋ですと答えるとみんな不思議そうな顔をしたそうです。しかし、マイナーなことが好きな筒井さんには、そのことが逆に嬉しかったのだとか。
機械をいじるのも良し、なによりいいものが作れたときの充実感。そして「うまかった」などと言われるともう、たまらない。
筒井さん自身が、なにより楽しんで豆菓子づくりと向き合っていること。これが筒井製菓一番の強みなのかもしれません。
今回、おもてなし重のために選んだ豆は、香川県産の「香川黒1号」と「大野豆」の2種。香川黒1号は「丹波黒」で有名な丹波系黒大豆。香川大学とJA香川県が収集した丹波黒の様々な種子から品種改良されたもので、丹波黒に比べて、粒ぞろいや色、香りが良いのが特徴です。
大野豆は、古くから豆の産地として知られる香川町大野地区産のそら豆。栽培する農家の減少から、本当にわずかな量しか取れない、大変希少な豆です。
※豆菓子の賞味期間は3ヶ月です。品質保持剤等を使用して無理矢理製品の寿命を延ばすのではなく、なるべく自然のままにお届けしたいと考えています。