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高松市の南部は、昔から綺麗な水の流れる河川が通っていて、水に恵まれていました。
かつて香川県内には、それらの水系に沿って300以上の水車があったと記録されています。水車を所有する農家には小麦が持ち込まれ、製粉の手間賃として持ち込まれた小麦の1割程度を得ていたのだそう。その小麦をうどんに仕上げて、そのうち販売するようになったのが、この界隈のうどん屋のはじまりだそうです。
今でも、高松市南部に大手の製麺業者が多いのは、そのためです。
意外なことに、富田屋では、製麺工程のほとんどが機械化されています。決して大きくない規模の製麺工場で、これほど機械化が進んでいるのは珍しいそう。それには理由があります。
まず、機械化といっても、既成の機械をそのまま使用するのではなく、オリジナルの機械や、微妙な調整の施された機械を、巧みに使用しています。これは試行錯誤を繰り返した結果、安定した品質で製麺を行うため。人の感覚だけに頼った、旧来の製麺では安定した品質を担保できなかった反省から、より正確でブレのない機械を使用することが最適との判断なのだそうです。 一方で、あえて人の勘と経験を要する作業を、一部残しています。
たとえば、うどんを踏む作業。オリジナルの足踏み機も採用されていますが、うどんの端々までは機械が行き届かず、むしろムラが生じてしまうので、昔ながらの手法で、実際に人間が足で踏んで仕上げています。
富田屋でのうどん製麺は、次のような流れで行われます。
富田屋では、打粉も厳選しています。
さごやしでんぷんといって、高級な和菓子に使用されるような上質なでんぷんのみを使用。打ち粉が良くないと、ゆで汁を濁してしまい、うどんがべちょべちょに仕上がってしまうため、こちらも重要なのだそうです。
讃岐うどんというと、太くてコシの強烈なイメージが強いと思いますが、おもてなし重ではあえて細麺をセレクトしました。
茹で時間が短く、だしとの絡みが良いため、調理しやすく、どんな食べ方でも美味しくお召し上がりいただけます。もちろん、細くても包丁切りならではの「のどごし」を存分にお楽しみいただけます。